不法行為によって死亡した被害者の相続人が遺族補償年金の支給を受けた場合の損益相殺
平成27年3月4日最高裁判所大法廷判決(最高裁ホームページ)は、被害者が不法行為によって死亡した場合において,その損害賠償請求権を取得した相続人が労働者災害補償保険法に基づく遺族補償年金の支給を受け,又は支給を受けることが確定したときは,遺族補償年金につき,その塡補の対象となる被扶養利益の喪失による損害と同性質であり,かつ,相互補完性を有する逸失利益等の消極損害の元本との間で,損益相殺的な調整を行うべきであり、その支給が著しく遅滞するなどの特段の事情のない限り,その塡補の対象となる損害は不法行為の時に塡補されたものと法的に評価して損益相殺的な調整をすることが相当であるとしました。
コメント 損害額算定の実務に必要となる判例です。