相続放棄の熟慮期間の起算点が債務の存在を知った時点とされた事例

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相続放棄の熟慮期間の起算点を債務の存在を知った時点とした事例
 東京高裁決定平成26年3月27日(判例時報2229-21)
 平成22年8月8日に死亡した被相続人の相続財産について,長女や二女は,生前,被相続人が自己の財産を長男に譲る意向を示しており,債務の存在は知らず,長男が一切を相続し,自分たちには相続すべき財産がないものと信じており,長男が被相続人が所有していた不動産の移転登記をするために,その依頼に応じ遺産分割協議証明書に署名・押印したものの,相続放棄の申述はもとより実際には遺産分割協議もしていなかったところ,爾後,被相続人の相続財産に債務があることがわかったため,平成25年4月2日,家庭裁判所に相続放棄の申述をした事例
 抗告人である長女及び二女には,相続すべき財産がないものと信じていたことが認められ,そう信じることには相当な理由があったと判示し,そして,現実に遺産分割協議がなされたものではないから,抗告人らの熟慮期間の起算日は,同人らが債務の存在を認識した平成25年3月26日であるとして,相続放棄の申述を受理しました。

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