有責配偶者からの離婚請求が認められた事例

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有責配偶者による離婚請求が認められた事例
 東京高判平成26年6月12日(判例時報2237-78)
 二人の未成熟子がいる夫婦のフランス国籍の妻が,子二人を連れて別居した後,日本国籍の夫に対し,婚姻を継続し難い重大な事由があるとして離婚を請求した事例
 夫も妻の自宅立ち入りを拒否し,妻の残した物の廃棄を通告したり,妻が外国人男性宅から出てきた際に暴力沙汰になったこと,夫婦共に関係修復のための具体的行動はとっておらず,夫も離婚に備えた準備をしていることなどから,婚姻関係修復の見込みはないとして,破綻を認定し,「婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」に該当すると認めた上,夫婦関係の決定的な破綻は妻の不貞行為によるものであり妻は有責配偶者ではあるが,夫には安定的な収入があり離婚請求を認めても著しく社会正義に反する結果がもたらされないこと,妻の不貞行為は夫が離婚を切り出したり人格に配慮せず妻を追い詰めたことにも原因があること,離婚を認めても未成年者の福祉が殊更害されることはないこと,夫ももともと離婚を求めていたこと,などから,有責配偶者からの離婚請求であっても社会正義に照らして到底許容できないというものではなく,信義則に反するものではない,として,原判決を取り消し,離婚請求を認容しました。

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